スーツを着る場面で最も印象を左右するのがネクタイの結び方と種類です。特に18〜20歳の若い男性にとって、ビジネスや就活、冠婚葬祭、成人式など、シーンに応じた適切な結び方を知ることは第一印象を大きく左右します。本記事では、各場面で使えるネクタイの結び方と種類を詳しく解説し、初心者でもすぐに実践できるポイントを紹介します。
4種類のネクタイの結び方
ネクタイを正しく結ぶことは、スーツ姿を格上げする第一歩です。ここでは基本的な結び方を4種類紹介します。
1. プレーンノット（シンプルノット）
プレーンノットは最も基本的で使いやすい結び方です。結び目が小さく、シャープな印象になるためビジネスシーンや就活に最適です。結び方はネクタイの細い方を大きい方の上に重ねて、クロスさせ、輪に通すだけと非常に簡単です。初心者でも失敗しにくいのが特徴です。
- ネクタイをかける
ネクタイを首にかけ、太い方（大剣）を右側に、細い方（小剣）を左側にします。太い方を細い方より長めに垂らすのがポイントです。結び終わったときに長さがベルトのバックル付近にくるよう調整します。 - 大剣を小剣の上にクロス
大剣を小剣の上に交差させます。首元のすぐ下でクロスさせると形がきれいに整います。 - 大剣を首の輪に通す
クロスさせた状態で、大剣を下から首元の輪（首の後ろにできている輪）にくぐらせます。 - 大剣を前に引き出す
首元の輪に通した大剣を、結び目の前に向かって引き出します。このとき、結び目が左右対称になるように整えます。 - 大剣を結び目の下の輪に通す
前に出した大剣を、結び目の下にできている輪（前のループ）にくぐらせます。 - 結び目を整える
大剣を下に引き、結び目を首元に引き上げて調整します。左右対称になるように軽く整え、結び目の形をきれいにします。 - 長さを確認する
結び終わったネクタイの先端がベルトのバックルにかかる位置になっているか確認します。長すぎたり短すぎたりする場合は、最初のかけ方で長さを微調整します。
2. セミウィンザーノット
セミウィンザーノットはプレーンノットより少し大きく、左右対称の結び目を作ることができます。結び目がやや厚めになるため、フォーマルな場面や成人式などの華やかな場で映えます。長さ調整がしやすく、細めのネクタイでも対応可能です。
- ネクタイを首にかける
太い方（大剣）を右側、細い方（小剣）を左側にします。太い方を長めに垂らし、結び終わったときにベルトのバックル付近にくるよう調整します。 - 大剣を小剣の上にクロス
大剣を小剣の上に交差させ、首元のすぐ下で形を整えます。 - 大剣を首の輪に通す（下から上へ）
クロスさせた大剣を首元の輪（首の後ろにできている輪）に下から通し、上に引き上げます。 - 大剣を前に持ってくる
首元から出した大剣を前に下ろし、結び目の前に向かって垂らします。 - 大剣を右から左へ巻き込む
前に垂らした大剣を右側から左側へ回して結び目の前に輪を作ります。このとき結び目の幅が広くなりすぎないよう注意します。 - 大剣を上から輪に通す
できた輪に大剣の先を上から通します。 - 結び目を整える
大剣を下に引き、結び目を首元に引き上げて形を整えます。左右対称で立体感のある結び目になるように注意します。 - 長さを確認する
結び終わったネクタイの先端がベルトのバックル付近にあるか確認します。長すぎたり短すぎたりする場合は、最初のネクタイのかけ方で調整します。
3. ウィンザーノット
ウィンザーノットは結び目が大きく、力強い印象を与えます。冠婚葬祭や公式なイベントなどでの着用に適しています。少し手間がかかりますが、左右対称で立体感のある結び目は、フォーマルな場にふさわしい存在感を演出できます。
- ネクタイを首にかける
太い方（大剣）を右側、細い方（小剣）を左側にします。太い方を長めに垂らし、結び終わったときにベルトのバックル付近にくるよう調整します。 - 大剣を左へクロス
大剣を小剣の前で左側にクロスさせます。首元で形を整え、結び目の土台を作ります。 - 大剣を下から上に首の輪に通す
大剣を首元の輪（首の後ろの輪）に下から通して上に引き上げます。 - 大剣を右から左へ回す
上に引き上げた大剣を右側から左側へ回して前に持ってきます。このとき結び目が厚くなりすぎないよう注意します。 - 大剣を下から上に再び通す
前に出した大剣を下から首の輪に通して上に引き上げます。これで結び目が立体的になります。 - 大剣を前の輪に通す
上に通した大剣を結び目の前にできている輪に通します。ゆっくり引き出して形を整えます。 - 結び目を整える
大剣を下に引き、結び目を首元にしっかり収めます。左右対称で厚みのある結び目になるように整えます。 - 長さを確認する
結び終わったネクタイの先端がベルトのバックル付近にあるか確認します。長さが合わない場合は、最初のかけ方で調整します。
4. ダブルノット（ダブルフォワードノット）
ダブルノットはプレーンノットを二重に巻いて結ぶ方法です。結び目がやや厚めで、安定感があります。少しカジュアルな印象も出せるため、ビジネスや成人式の両方で応用可能です。厚手のネクタイや長さのあるネクタイで特に使いやすいです。
- ネクタイを首にかける
太い方（大剣）を右側、細い方（小剣）を左側にします。太い方を少し長めに垂らし、結び終わったときにベルトのバックル付近にくるよう調整します。 - 大剣を小剣の上にクロス
大剣を小剣の上に交差させ、首元のすぐ下で形を整えます。 - 大剣を首の輪に通す（下から上へ）
クロスさせた大剣を首元の輪に下から通し、上に引き上げます。 - 大剣を前に下ろす
首元から出した大剣を前に垂らします。ここまではプレーンノットと同じです。 - もう一度前の輪に通す
前に下ろした大剣を、再び結び目の前の輪に通します。この二重に巻くことで、結び目がしっかりして安定感が生まれます。 - 結び目を整える
大剣を下に引き、結び目を首元に引き上げて左右対称になるように整えます。厚みが出るので、厚手のネクタイや長めのネクタイに特に適しています。 - 長さを確認する
結び終わったネクタイの先端がベルトのバックルにかかる位置になっているか確認します。長すぎる場合は最初のかけ方で調整します。
ネクタイの種類
ネクタイは素材や柄によって印象が大きく変わります。シーンごとの適切な種類を理解しておくことが大切です。
1. シルクネクタイ
シルクは光沢があり、高級感のある素材です。ビジネスや成人式、冠婚葬祭など、フォーマルな場面で幅広く使えます。滑らかな手触りと美しい発色が特徴で、結び目もきれいに整います。
2. コットンネクタイ
コットン素材はカジュアルな印象が強く、オフのビジネスやカジュアルなイベントで適しています。結び目がやや柔らかく、軽やかな印象を与えるため、学生の就活や普段使いのスーツにもおすすめです。
3. ニットネクタイ
ニットネクタイはカジュアル寄りの素材で、カジュアルな成人式やオフの日のスーツスタイルに向いています。結び目が小さくカジュアル感を演出でき、季節感を出すのにも適しています。
4. 柄の種類
- 無地: シンプルで清潔感があり、ビジネスや就活に最適です。どのスーツカラーにも合わせやすく、フォーマルな場面でも安心して使えます。
- ストライプ: 縦ラインが視覚的にスッキリ見えるため、スタイルを良く見せる効果があります。ビジネスシーンで多く用いられます。
- ドット: 小さなドット柄はカジュアル感を出せますが、結婚式や成人式など華やかな場面でもアクセントとして使えます。
- チェック: 柄が大きくなるとカジュアル寄りになります。成人式や休日のスーツコーデに適しています。
シーン別のネクタイ選び
ビジネス・就活
ビジネスや就活では清潔感と信頼感が重要です。結び方はプレーンノットやセミウィンザーノットが適しており、ネクタイの色は落ち着いたネイビーやグレー、柄は無地や細かいストライプがベストです。
冠婚葬祭
冠婚葬祭ではフォーマル感が最優先です。ウィンザーノットで結び、素材はシルク、色は黒や濃紺が基本です。結婚式や葬儀など、場に応じて結び方や柄を調整しましょう。
成人式
成人式では若々しさと華やかさが求められます。セミウィンザーノットやダブルノットで結び、素材はシルク、色は明るめや光沢のあるもの、柄は無地だけでなくストライプやドットなどもアクセントとして映えます。
ネクタイ結びのコツ
- 長さの調整: 結び終わったネクタイの先端はベルトのバックルにかかる位置が理想です。長すぎたり短すぎたりすると印象が悪くなります。
- 結び目の形を整える: 結び目は左右対称になるように整え、襟元にきちんと収まるようにします。
- 素材に合わせた結び方: 厚手のネクタイはプレーンノットよりもダブルノットの方が形が崩れにくく、薄手のネクタイはセミウィンザーノットやウィンザーノットが適しています。
- 色柄のバランス: スーツやシャツとの色のコントラストを意識し、全体のバランスを見ながら選びましょう。
まとめ
ネクタイの結び方と種類を理解することは、スーツ姿の印象を大きく左右します。ビジネスや就活ではプレーンノットやセミウィンザーノット、冠婚葬祭ではウィンザーノット、成人式ではセミウィンザーノットやダブルノットが基本です。素材や柄の選び方も重要で、シルクの無地やストライプはフォーマルに、コットンやニット、ドットやチェック柄はカジュアルや華やかさを演出できます。正しい結び方と適切な種類を押さえて、スーツ姿を一段と格上げしましょう。
