メンズスーツ着用時のマナーとは?正しいボタンの留め方を徹底解説

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スーツはビジネスやフォーマルシーンで男性の印象を大きく左右する重要なアイテムです。その中でも特に「ボタンの留め方」は、意外にも多くの人が見落としがちなマナーのひとつ。正しいルールを理解していないと、せっかくのスーツ姿も台無しになってしまうことがあります。本記事では、スーツの種類別・シーン別にボタンの正しい留め方を詳しく解説します。

1. スーツボタンの基本マナー

まず押さえておきたいのが「アンボタンマナー」です。
これは、ジャケットやベストの一番下のボタンは留めないというルールです。

19世紀のイギリス王エドワード7世が、太って留められなかったことをきっかけに始まったとされる由来もあります。

現代では、スーツのシルエットを美しく見せるための実用的なマナーとして定着しています。一番下まで留めてしまうと、生地が引っ張られたり、腰回りに不自然なシワが寄る原因になるため注意しましょう。

▶ 着席時は必ずボタンを外す

立っている時はボタンを留め、座る時はすべて外すのが基本です。座った状態で留めたままだとスーツが突っ張ってシルエットが崩れたり、苦しさを感じることもあります。会議中や食事中などはリラックスした印象を与えるためにも、自然にボタンを外すのがスマートです。

ただし、面接やフォーマルな場面では、印象を重視してあえて留めたままにするケースもあります。TPOを意識した使い分けがポイントです。

2. スーツの種類別・正しいボタンの留め方

■ シングルスーツのボタンマナー

シングルスーツは最も一般的なスタイルで、1~3つのボタンが縦一列に並びます。

ボタン数留め方のマナー
1ボタンすべて留める
2ボタン上だけ留めて下を外す(アンボタンマナー)
3ボタン真ん中だけ留める。段返り3ボタンの場合も同様

段返り3ボタンとは、一番上のボタンがラペルに隠れるようにデザインされたタイプ。基本的には真ん中のみを留めておくと、ジャケットのラインが美しく保たれます。

■ ダブルスーツのボタンマナー

ダブルスーツは2列のボタンが特徴的で、クラシカルで重厚感のある印象を与えます。ボタンの数は4つまたは6つが主流です。

ボタン数留め方のマナー
4つボタン上2つのうち、下1つを外す
6つボタン上2つを留めて下を外す or 下1つ掛けでおしゃれに

ダブルスーツはボタンを留めたままでもシルエットが崩れにくいため、座る際に外す必要はありません。むしろ留めたままの方が格式高い印象になります。

■ スリーピーススーツ(ベスト付き)

スリーピーススーツを着用する場合、ベストのボタンマナーも重要です。ベストはジャケット同様、一番下のボタンを外すのが原則。これにより、腰回りの動きが自然になり、全体のバランスが整います。

また、スリーピースではジャケットのボタンを開けても、ベストがしっかりとフォーマルな印象を保つため、立ち座りの動作がスムーズに見えるのもポイントです。

3. シーン別のボタンマナー

■ ビジネスシーン

オフィスや商談などのビジネス場面では、2ボタンなら上だけ留めるのが基本。座る際には外し、立ち上がったら自然に留め直す動作が好印象です。

また、商談中やプレゼンなどで立ち上がるタイミングが多い場合には、スムーズな動作を意識しましょう。ボタンを留め直す仕草もスマートに見えるため、細部まで気を配ることが大切です。

■ 冠婚葬祭

結婚式や葬儀などのフォーマルシーンでも、アンボタンマナーは基本的に共通です。ジャケットは下のボタンを外し、ベストは一番下を外すようにします。特に葬儀では、派手な着こなしを避け、シンプルかつ清潔感のある装いを意識しましょう。

■ 就職活動・面接

例外的に、面接では着席時もボタンを留めておく方が良い場合があります。特にリクルートスーツの場合、ボタンを外すとラフに見えることがあるため、フォーマルさを保つ意味でも留めたままを推奨します。入退室の際に自然に動作できるよう、事前に練習しておくと安心です。

■ オフィスカジュアル

近年では、ジャケパンスタイルなどのオフィスカジュアルも一般的です。この場合は、ボタンを外していても問題ありません。カジュアルな印象を与えつつ、清潔感を損なわないことが大切です。外出や来客対応時のみボタンを留めるなど、TPOに応じた対応を意識しましょう。

4. 間違いやすいボタンマナーの例

  1. すべてのボタンを留めてしまう → 窮屈に見え、シルエットが崩れる。
  2. 座ったままボタンを留め続ける → しわや型崩れの原因に。
  3. 段返り3ボタンをすべて留める → 本来のデザインが活かせなくなる。
  4. ベストの一番下を留める → 動作が不自然になり、見た目も重たい印象に。

どんなに高価なスーツを着ていても、マナーが間違っていれば台無しです。基本を守ることで、自然体で洗練された印象を与えることができます。

5. 正しいボタンマナーでスーツをより美しく

スーツのボタンマナーは、単なる形式的なルールではなく、着る人を最も美しく見せるための理にかなった仕組みです。一番下を外すだけで、シルエットが整い、全体のバランスがよく見えます。

また、TPOに合わせた柔軟な対応も重要です。フォーマルではきちんと留め、カジュアルな場では外してリラックスする。この切り替えが自然にできる人こそ、真の「大人の身だしなみ」を身につけているといえるでしょう。

スーツのボタンを正しく扱うことで、第一印象が格段にアップします。日々のビジネスや特別な場面で、自信を持ってスーツスタイルを楽しみましょう。